おにたろう日記

医学生の徒然なる日記blog

【猫の思想】お風呂とドライヤー、そして障子

 夢を見た。人間になった夢だった。朝、機械の警告音に起こされて、慌てて家を出て、外でもひたすら走り回っていた。かなりの汗をかき、体は限界まで疲れ、家に帰って、お風呂を入り、ベッドに飛び込んだタイミングで目が覚めた。

「ここまで体からお水が出ることはないなぁ。」

 ぼくのお風呂はせいぜい1ヶ月に1回だ。人間と一緒に入る、というよりも人間に何やらシャワーというもので濡らされる。毛が多いから乾くのが遅く、おもくもなるから嫌いだ。

 初めてお風呂に入った時は、とってもびっくりした。水は怖いと本能が感じ取った。恐怖から何度高い声を出しては叫んだだろう。

「はやくここから出しておくれぇ!」

 この言葉も人間に届くことなくびしょびしょにされたのだった。

 終わった後のタオルはもふもふで大好きだ。柔らかくてどこかいい香りに包まれる。あれはご褒美なのだろうか。幸せな時間だが、この後には地獄が待っていることを知っている。

「あの機械の出番だな。」

 人間は毎朝晩それを使っているが、僕にはこのお風呂上がりに使われる。暖かくて暴風を発生させるあれだ。とてもはやく乾くのはわかっているが、風が強すぎて、気に入らない。

「音も大きくてとってもストレスだ。」

 体を大きく捻ってブルブルすれば水滴は飛んで、日向にいれば30分ほどで乾くのだからわざわざ使わなくてもいいのに、と思いながら、風を当て続けられる。

「このストレスをどこに発散させようか。」

 

 最近ぼくはいい遊び道具を発見した。お外と家の中を分ける透明な板の前にある白い紙だ。なんのために白い紙の壁があるのかはわからないが、これはすごく薄くて、穴を開けるのにうってつけだ。

 そして、この穴を開ける感覚が最高だ。柔らかくとも、絶妙に硬いから、少し体重をかけるか爪を使わないと破けない。破ける時は一瞬で貫通するして、その時の音がとてもスッキリする。

 ただこの遊び道具を使う悪い点は、人間に怒られることだ。一か所でも穴を開けると、決まって後から人間が大きな声で、怒ってくる。

 しかし、そんな時の必殺技も持っている。

「ごめんなさい!の土下寝!!」

 正直にいうと土下寝中はかなり眠くなり、反省などしておらず、しまいにはこのまま寝てしまうのだが。

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